思春期になると、いきなり顔や体にニキビができてしまう学生さんも多いと思います。ある統計では、社会人になった方の7割ほどがこのような経験があったと振り返るほどです。そう考えると、思春期ニキビも珍しいものではないのですが、実際にケアで改善したという方は意外なほど少ない様です・・・

 

思春期ニキビというと、飲み薬や塗り薬など、いわゆる西洋医学の治療が一般的ですが、実はそれ以外にもケア方法はあるのです。その一つに「漢方薬」があるのです。学生さんには漢方薬が何なのかなぞ以外でしかないと思います。だからこそ、この記事で知ってもらえればと思います。なかなか治らない思春期ニキビの改善のきっかけになるかもしれません(・∀・)b

 

 

思春期ニキビには漢方薬が効果あるらしい!?

 

 

皮膚の分泌が盛んな思春期になると、ニキビができやすくなります。時の如くですが「思春期ニキビ」という症状ですね。分泌量が多くなり過ぎた皮脂や、皮膚表面から上がれた毛穴につまるのが始めります。この初期状態を白ニキビと言い、そこにニキビ菌(アクネ桿菌)が増殖して、炎症を引き起こすと赤く盛り上がった赤ニキビになります。

 

さらに悪化すると、毛穴の周りが化膿して、膿が溜まります。こうなると膿ニキビとか、黄ニキビという状態ですぐにでも皮膚科で適切な治療が必要でしょう。そして、最終段階になると皮膚に凹凸が残の跡が残るニキビ跡にもなりますから、思春期ニキビを「青春のシンボル」なんて考えられませんよね(苦笑)

 

ちなみにですが、そんな思春期ニキビの治療というと、あまり意識はしていないでしょうが西洋医学が一般的に用いられています。ニキビの幹部に塗る外用薬を中心に、症状が重いい場合は内服の抗菌薬が併用される事が多くあります。但し、その様な抗菌薬の長期使用にはメリットだけではないのです。

 

抗菌薬などには副作用や耐性菌の心配などもあります。ですから、そんな時に役立つのが東洋医学の代表格である「漢方薬」という訳です。また、西洋薬と漢方薬の併用という方法もあります。ですから、思春期ニキビは学生の症状とイメージから漢方には関連性が薄いように思われがちですが、実はかなり重要なのです!!

 

 

漢方薬の「標治」と「本治」について※思春期ニキビ改善の秘訣※

 

 

思春期ニキビのような皮膚の疾患は、症状を目で見て確かめることができるため、その症状を改善する事が治療の大きな目的になってきます。この様に体の表面に現れた症状を中心に行う治療を漢方では「標治」と言います。例えば、炎症が起きて赤みが強いなら熱を冷まして炎症を抑える薬が、皮膚が乾燥しているのなら潤す櫛理が用いられます。

 

一方、皮膚は心身の健康状態を表す鏡でもあり、皮膚症状を生じる根本的な原因は全身状態にもあるとも考えられています。それに対して行われるのが「本治」で、いわゆる体質改善を目的とする治療です。本治はある程度長期にわたって取り組むことが大切になってくるのです。これこそがこの記事で紹介する漢方薬の効果という事です!!

 

以下に紹介されるのは、思春期ニキビにも効果が期待できるのではと言われている漢方薬です。漢方の用途や特徴をのせておくので、ぜひ参考にして下さい。

 

 

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

 

 

 

 

当帰芍薬散は当帰芍薬散量(とうきしゃくやくさんりょう)とも呼ばれます。”産婦人科の三大漢方薬”の一つで、「血」の不足を補い、巡りを良くして、体を温める薬です。様々な婦人科の病気に効果を発揮します。月経異常、不妊症、更年期障害、自律神経失調症、腰痛、慢性頭痛などに良く用いられます。

 

対象となるのは痩せて体力のない「虚証」の方です。寒がりで冷え、貧血、むくみ、肩こり、脱力感などがある方に適しています。補血・競争作用のある「当帰」と「川きゅう」が血行を良くして体を温め、「芍薬」が痛みを和らげ、利水作用に優れた「朮」「沢潟」「茯苓」が余計な水分を排出させます。さらにこれらが一緒になって、「血」の働きに活力を与えると言われています。

 

当帰芍薬散の応用範囲は広く、めまい、しびれや神経痛などの改善にも処方されます。また、糖尿病の合併症や脳血管疾患の慢性期にも症状の改善に用いられます。使用上の中点としては、胃腸の虚弱な方では嘔吐、腹痛、下痢などが起こる事が稀にあります。

 

 

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 

 

 

 

防己黄耆湯は水分代謝が悪く、余分な水分が体に溜まってしまう方がいますが、そうした方の水分代謝に働きかけ、むくみを取り、倦怠感を軽くしてくれる薬ですv。最近では、肥満症に使われる薬として注目されています。防己黄耆湯は、色白で筋肉が柔らかい、いわゆる水太りタイプで、疲れやすく、汗をかきやすい、足がむくみやすいといった方に適していると言われています。

 

この防己黄耆湯に含まれる「防已」「朮」といった生薬には体内の水分を排出させ痛みを止める働きがあり、「大棗」「甘草」「生姜」は「碑」を補い、「黄嗜」は「水」の停滞を治し「気」を増す働きがあるとされています。

 

防己黄耆湯は、変形性膝軟骨症で膝に水がたまったり、関節リウマチで関節が腫れて痛むような場合にも用いられます。その他、多汗症、むくみや、ニキビなどの皮膚病に用いられる事もあります。また、ステロイド薬の副作用を軽減するために返照される事もあります。

 

 

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

 

 

 

桂枝茯苓丸は、桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)とも呼びます。「お血」を改善する「駆お血剤」の代表的なもので、産婦人科で用いられる三大漢方薬の一つです。典型的には、体力が中くらいで、赤ら顔、のぼせやすいのに足が冷える、下腹部が張る感じがする方に向く薬です。

 

月経異常、子宮内膜症、更年期障害などに用いられます。頭痛、肩こり、めまい、神経痛などにもよく処方されます。また、昔からにきびやクマ、しみを始め、湿疹・皮膚炎、しもやけなど、皮膚のトラブルにも用いられています。

 

「お血」にあたる、現代では生活習慣病の方によくみられる血行障害が関係する病態にも幅広く用いられます。近年の西洋医学帝な研究で抹消の血流を改善する作用が確かめられ、苦血圧の随伴症状や糖尿病の合併種尾の症状改善に用いられたり、脳血管障害の慢性期に用いられる事もあります。動脈硬化の進行抑制に繋がる作用もありますが、体力が低下した方では胃腸障害が出やすくなります。

 

 

桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)

 

 

 

 

桂枝茯苓丸加よく苡仁桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)とも呼びます。時の如くですが、桂枝茯苓丸によく苡仁が加わった処方です。体は中くらいで、肩こり、頭重、めまい、のぼせ気味だが足は冷えるなどの症状がある方の月経不順、いわゆる血の道症、にきび、しみ、手足の荒れなどに用いられる。

 

 

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

 

 

 

 

排膿散及湯は、患部に発赤、腫れ、痛みを伴った化膿性の皮膚疾患などに用いる薬です。アルドステロン症、ミオパチー(筋肉障害)、低カリウム血症の方は使用ができないので注意が必要です。

 

 

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

 

 

 

 

十味敗毒湯は、中国の明の時代の医学書「万病回春」に載っている「けい防敗毒散」という処方を元に、江戸時代の外科医、花岡青洲によって日本で作られた漢方薬です。10種類の生薬で毒素を取り除くという事から「十見敗毒湯」と名付けられました。化膿を抑え、皮膚の腫れや赤み、痒みを取る薬です。

 

化膿しているおできや、化膿を繰り返すにきび、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹アトピー性皮膚炎、水虫などの改善に使われます。特に、分泌物が少ない場合に多く用いられます。中程度の体力で、薄墨色の顔色をしたような、比較的神経質な方に向いた薬と言われています。

 

十見敗毒湯は、一般的に皮膚の病気の中でも急性の病気の初期に良く用いられる薬ですが、アレルギー体質や化膿しやすい体質の改善をはかる目的でつかわれる事もあります。胃腸が虚弱な方が用いると、食欲不振、吐き気、下痢などが現れたり、これらの症状が悪化する事があります。

 

 

治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)

 

 

 

 

治頭瘡一方は、便秘系効果の方の、頭部や顔にできた湿疹・皮膚炎、ただれ、かさぶたの改善などに用いられます。分泌物が多いジュクジュクした湿疹に向きます。乳幼児の湿疹にも用いられます。

 

 

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

 

 

 

 

荊芥連翹湯は、「温清飲」を含む処方で、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、ニキビの改善などに用いられます。血行が悪くて皮膚が浅黒い方、毛足の裏に汗をかきやすい方に向いています。まれに、間質性皮膚炎、肝機能障害、黄疸の副作用がみられる事があります。

 

 

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

 

 

 

 

清上防風湯は、比較的体力がある方のニキビやおでき、化膿した湿疹などに用いられます。胃腸が虚弱な方は、胃部不快感、下痢などが現れる事があります、。まれに、肝機能障害の副作用を起こす事があります。

 

 

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 

 

 

 

桃核承気湯は、体力があってがっちりタイプの、「実証」の方に対する代表的な「駆お血剤」(お血を改善する薬)です。のぼせ気味、便秘がちで、「気逆」を伴う方に向きます。具体的には、頭痛、イライラ、不安、不眠、便秘などがある方の、月経異常や更年期障害、月経時や産後の精神不安の治療などに用いられています。

 

薬に含まれる「桃仁」は血行を良くして「お血」を改善します。「桂皮」は「気」を巡らせて逆上を解消し、「甘草」は痛みや精神不穏を和らげるとされています。また、下剤の代表的成分である「大黄」「芒硝」が入っていて便秘薬としての使用も多く、便秘の改善により肌のトラブルが少なくなることから、ニキビの治療にも用いられています。

 

腰痛、肩こり、関節痛、神経痛、などでも、「お血」があれば、この薬で痛みが楽になる事があります。また、高血圧の随伴症状の頭痛、肩こり、めまいなどや、糖尿病の合併症、脳血管障害の慢性期の症状の改善にも用いらえれています。胃腸の虚弱な方が使うと食欲不振、腹痛、下痢などが起こる事があります。

 

 

日本の漢方医学の歴史は意外と古い!!

 

 

日本の漢方の元になった中国の伝統医学は、その起源を黄河文明にまでさかのぼると言われています。漢の時代には三大古典と言われる医学書がまとめられています。日本には、6世紀に仏教とともに朝鮮半島を経て伝来したと考えられています。遣隋使・遣唐使の時代には中国から大量の医学書が輸入され、更に8世紀には鑑真が来日して、多くの薬物がもたらされました。

 

当初は中国医学の模倣から始まりましたが、10世紀には日本の気候風土や民族性を考慮してまとめられた医学書も登場し、日本の医学は独自の道を歩み始めます。その後も工夫・改良が加えられながら、体系化が進められました。

 

江戸時代には、漢方医が歴代将軍の御殿医と務めるなど最盛期を迎えます。この時代、オランダから入ってきた西洋医学を「蘭学」と呼ぶようになり、中国伝来のそれまでの日本の医学は「漢方」と呼ぼれる様になりました。

 

明治期に入り、医師免許制度により、日本では西洋医学を学んで国家試験に合格した者だけに医師免許が与えられる事になしました。これによって漢方は衰退し、、一部の医師によって受け継がれるのみになりました。

 

西洋医学による治療が効果を上げる一方、重い副作用の報告があったり、慢性疾患やアレルギー性疾患の増加などに伴い、昭和40年代なって、漢方が見直され始めます。昭和42(1967)年に初めて漢方製剤に健康保険が適用され、日本の医療に再び漢方が組み込まれました。

 

平成13(2001)年には医学部の基礎的カリキュラムに漢方の講義が導入される事になり、現在では医師になるすべての方が漢方薬(和漢薬)について学ぶようになっています。

 

 

漢方薬についてのよくある質問【まとめ】

 

 

自然の「薬草」を飲んでも漢方治療になるの!?

薬草の代表格と言えば、ドクダミが挙げられます。「ドクダミも薬草だから煎じて飲めば漢方薬ではないの!?」と思っている方も少なくないようです。確かにドクダミは古くから重宝されてきた薬草ですが、自分で摘んだドクダミを煎じて飲むのはいわゆる「民間療法」です。

 

実際には、自然の薬草を使えば漢方薬というものではないのです。また、例えばウコンは生薬ですが、日本の医療用漢方剤に使われているものではなく、漢方治療とは別のものと冠上げるべきでしょう。

 

漢方の錠剤は特定の方法で加工調整した生薬を用い、その混ぜ方や比率、服用法、適応や効果などが、長い歴史の中で経験的に確かめられ、体系化されたものです。日本では医療として認められ、この記事で紹介している思春期ニキビに効果が期待できる漢方薬も、いずれも「医療用医薬品(処方薬)」として使われているものです。

 

民間療法は、いわば生活の知恵として行われてきたもので、あくまで自己責任の範囲で利用するものと考えるのがだというだと言えるでしょう。

 

 

漢方治療は費用がかかるのではないの!?

「漢方治療は高い」というイメージを持っている方も少なくないようです。日本では1967年以降、多くの医療用漢方製剤に健康保険が適用されるようになり、医師の処方に基づいて使う漢方薬には西洋薬と同様に健康保険が適用されるようになりました。現在、148種類の漢方薬(処方)が対象となっていますから、ポピュラーな漢方薬は大抵の健康保険がきくと思ってよいでしょう。

 

むしろ、風邪などの様に、色々な症状があっても基本的に一つの薬で治療する漢方薬は、医療費を抑えられる面もあります。原因のはっきりしない症状のおおっ方や、様々な不調を抱えがちな高齢者などにとっても、経済的な負担を軽くする可能性があるでしょう。

 

西洋薬の治療中でも漢方薬は使えるの!?

西洋薬と漢方薬は基本的に併用できます。西洋医学による治療を受けている方が漢方薬を併用する事は、多くの場合、問題ありません。但し、組み合わせによっては、同じような作用をもつ成分が重なって作用が強く出過ぎたり、副作用を招きやすくなる事もあります。

 

ですから、西洋薬か漢方薬かを問わず、薬を処方してもらう時には使用している薬を全て医師や薬剤師に相談するのが良いでしょう。不都合な飲み合わせさえ避ければ、漢方薬を併用する事で西洋薬の副作用を軽減したり、双方の利点を治療に生かす事も出来ます。

 

 

漢方薬はどこで処方してもらえるの!?

日本の医師の約7割が漢方薬を治療に使ったことがあるという調査データもあります。まずはかかりつけの医師に相談してみるのも、一つの方法でしょう。近所に調剤薬局があれば、漢方治療をしているいる医療機関を教えてもらえるかもしれません。

 

最近では、漢方診療を行っている医師を検索できるインターネットサイトなどもあるので、そうしたサイトを利用して探すという方法もあるでしょう。漢方医専門医を探したい場合は、日本東洋医学会のホームページで学会認定の漢方専門医名簿を閲覧する事ができます。( ⇒ 日本東洋医学会ホームページはこちら )

 

 

 

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